中村 誠一
電気設備コンサルタント / 第三種電気主任技術者
大手ビル管理会社で12年間、商業ビル・マンションの電気設備管理を担当。キュービクルの点検・更新計画の策定を200件以上手がける。
中村 誠一の記事 (8)
単線結線図の見方|キュービクルの記号一覧と読み方
単線結線図は、三相交流の3本の電線を1本に省略して受変電設備の全体像を示す図面であり、上に電源側、下に負荷側を置いて主回路だけを描くのが基本です。設備管理の現場では、新人に図面を渡すとまず記号の意味を一つずつ尋ねられますが、先に「上から下へ、電気の流れに沿って追う」と教えると、
進相コンデンサと直列リアクトルの役割|力率改善の仕組み
進相コンデンサ(SC)と直列リアクトル(SR)は、高圧受電設備のキュービクルで必ず並んで見かける定番の組み合わせである。ビル管理会社時代、テナントから「キュービクルがうなっている」と呼ばれて駆けつけた現場では、原因はコンデンサ本体ではなく直列リアクトルの高調波過熱だった。
計器用変成器とは|VT・PT・CTの違いと役割
計器用変成器は、キュービクルの図面や点検表に出てくるVTとCTをまとめた総称で、高圧回路の電圧と電流を、計器や保護継電器が扱える大きさに変換するための機器です。現場では新人にまず実物のVCTを開けて見せると、図面記号だけではつかみにくい役割が一気に腑に落ちます。
キュービクルの避雷器(SPD)とは|仕組みと設置基準
避雷器は、雷の侵入を止める機器ではなく、電線から入ってきたサージ電圧を大地へ逃がして変圧器や高圧機器の絶縁破壊を防ぐ装置です。現場で点検に同行すると、「避雷針があるのに避雷器も要るのか」と何度も聞かれますが、直撃雷を受け止める避雷針と、電路側の過電圧を処理する避雷器は役割がまったく違います。
キュービクルの結露対策|ヒーター・換気と錆防止
キュービクルの結露は、盤内に水滴が付くだけの軽い現象ではなく、絶縁低下から地絡や波及事故へつながる故障因子です。空気中の水蒸気は温度が下がると水滴になりやすく、冬の朝のように外気温が低く、盤内機器の放熱も少ないときほど発生しやすくなります。
PAS・UGS・SOGの違いと波及事故を防ぐ仕組み
PAS・UGS・SOGは、高圧受電設備の引込部で混同されやすい用語ですが、PASとUGSはどちらも自社事故を系統から切り離して波及事故を防ぐ区分開閉器であり、SOGはその開閉器を動かす制御装置です。
GRとDGRの違いと選び方|もらい事故を防ぐ地絡保護
GRとDGRは、どちらも高圧受電設備の地絡保護に使う継電器ですが、見ているものはまったく違います。GRがZCTで捉えた零相電流の大きさだけで動作するのに対し、DGRはZPDの零相電圧を基準に位相まで判定し、自構内方向の事故だけを選びます。
キュービクルのPCB確認と処分手順|2027年期限
PCB含有確認は、古いキュービクルを更新・撤去する場面で最初につまずく実務です。築30年超の商業ビルで撤去予定のコンデンサ盤を点検した際も、銘板が1988年製だと分かった時点で、まず絶縁油分析を手配する流れになりました。